お客様には【摂取理論】で商品の反論に対する免疫をつける【メリットも忘れずに伝えよう】

こんにちは、心吾です。

毎年インフルエンザが流行り始めるのは、12月から翌年の3月の間だそうです。体調管理には十分お気を付けてくださいね。

インフルエンザ対策といえば、早期の治療やワクチンを接種することです。
あなたもインフルエンザの「予防接種」を受けたことはありますか?

ワクチンを接種することによる効果は、ウイルスに感染しにくくしたり、感染した場合の重症化を防いだり、合併症を防いだりすることです。

ワクチンは、予防したいインフルエンザウイルスを弱めたものですが、この弱めたウイルスをあらかじめ体内に接種することで体に抗体を作り、ウイルスに対して耐性を持たせるわけです。

「接種理論」

インフルエンザの「予防接種」と同じように、心理学の世界でも「接種理論」と呼ばれる原理があります。
アメリカの心理学者、ウィリアム・マクガイアが提唱した理論です。

これは、あらかじめ反対意見に対して抵抗する姿勢を訓練しておくことで、いざ反論を受けたときに説得されにくくなるという考え方です。

数年前、ココナッツオイルが流行った時期がありました。テレビでもそれについてとても良い効能があると言われていましたね。

「ダイエットに効く」であったり、「美容効果がある」であったり、「糖尿病や認知症、アルツハイマー病の予防にもなる」であったりと効果・効能がたくさん並べたてられていました。テレビで紹介された後は、スーパーから姿を消すこともあったぐらいです。

私の母親も同様にその効果を信じて、毎朝ココナッツオイルで卵焼き料理を作って食べていました。

ところが、病院の先生から、「ココナッツオイルの摂りすぎはおススメしませんよ。あれは商品戦略で、ウラでは大きな利権が働いているんですよ。油ですから脂肪も多い。」

そのようなココナッツオイルに対する反対意見を受けたそうです。

次の日から母親は、ココナッツオイルで卵焼きを作ることはなくなりました。

このように、すでに「あたりまえだと思っていたこと」「広く受け入れられていること」に対する反論には通常、免疫がありません。

ですから、「ココナッツオイルは体に良くない」と攻撃されてしまうと、簡単に説得されてしまいます。

ところが、「予防接種」のように、事前に弱い反論を頭に入れておくと、強い反論が来たときに簡単には説得させられなくなります。
免疫力がつくわけですね。

たとえば、ココナッツオイルの販売側が事前に購入者に対して、

「ココナッツオイルはあくまでも油ですから摂りすぎには体に悪いですので注意してください。
ですが、ココナッツオイルの主成分は中鎖脂肪酸でエネルギーになりやすく、太りにくい脂肪酸です。
また、コレステロール値を上昇させることがほとんどありません。
さらに、中鎖脂肪酸は代謝を促進するために善玉コレステロールを増やして、悪玉コレステロールを減らすともいわれているんですよ。」

というように伝えたとします。

そうすると、購入者は、他の人に油の摂りすぎによるデメリットを指摘されたとしても、それを補強するメリットがあるため、購入してくれる可能性が高くなります。

「油だから摂りすぎずに注意して、適切な量を摂るようにすれば問題ないでしょ。ていうか、メリットの方が大きいじゃん。」という風に。

「接種理論」を利用して、販売者は自分たちのマイナス要素をあらかじめ相手に伝えて免疫をつけておくことで、いざマイナス要素が露呈しても、それを受け入れてもらいやすくすることが可能なのです。

ウィークポイントだけではなく、それを補強できるようなメリットも前もって伝えておくことが肝心です。(黒すぎる心理術 他人が必ず、あなたに従う [ ロミオ・ロドリゲス・Jr. ](P.154))

コピーを書く際にも、商品やサービスのメリットだけを書き連ねていくのではなく、デメリットや反論をあらかじめ書いておくことで、よりその商品やサービスの魅力を伝えることができるのではないでしょうか。

「反論は必ず弱く」

反論やマイナス要素を述べていくとき、注意しなければいけないこと。それは、「反論は弱く」です。

「弱い反論」で「強い反論」に対する免疫をつけましょう。

お客さんは「弱い反論」をあらかじめ受けることで、自分の意見や考えを掘り下げて考えるようになります。その結果、自分の考えをさらに強めることになるわけです。そこが狙いなのですが、強い反論を与えてしまうと、逆効果になり、お客さんの態度が弱くなる危険性があります。

強い反論に納得してしまうと、購入してもらう可能性がなくなってしまうということです。

「弱い反論」は、「予防接種の時のインフルエンザワクチン」と同じですね。

まとめ

「接種理論」

  • 見込み客はあらかじめ「弱い反論」を受けることで、「強い反論」に対する免疫がつく。
  • 「弱い反論」で免疫を付けておくことで、売りたい商品やサービスに対する「反論」や「マイナス要素」が露呈しても、それを受け入れてもらいやすくすることができる。
  • ライバルが突いてきそうなウィークポイントをしっかり認識しつつ、自分のメリットも前もって伝えておくことが重要。

ココナッツオイルの実際の効果のほどは、どうなんでしょうね?

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