心吾です。
相手の口車に上手く乗せられ、気づいたら意のままに操られている。
いつのまにか相手の要求をホイホイと受け入れてしまっている。
何だかくやしい気持ちになりますが、こういうことは私たちの身近なところでたくさん起きています。(気づいていないかもしれませんが。)
心理学に「一貫性の原理」という法則があります。
うまい営業マンのセールスやレストランでのメニュー表示、おねだり上手な人なんかは、この原理を巧みに利用し相手を上手にコントロールしています。
「一貫性の原理」とは?
「一貫性の原理」とは、人間の心理原則のひとつです。
「自分自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理」
たとえば、「よし!ブログを毎日1記事書くぞ!」と
意気揚々と宣言したものの、
いざ書こうとするとなかなか続かない・・・。
「ダメだ。オレは週1回の記事更新もできないかもしれない。なんて意思が弱いんだ。」
とうなだれてしまう自分。
しかし、その時の心理は次のような状態ではないでしょうか?
「周りの人に高らかに宣言した手前、すぐに諦めてしまうとダメ人間だと思われてしまう。カッコ悪い。」
「意志の弱い人間だと思われたくないし、自分でもすぐに諦めるのは納得できない。」
じゃあどうするか?
「ブログの更新を出来る限り、毎日続けよう!」
このとき、「ブログを毎日書く」と宣言したこの人には、「一貫性のある行動」をとろうという心理が働いているんですね。(この記事を書いている私自身のことなんですが)
そもそも人間は、他者からよく見られたい、評価されたいという意識が潜在的に備わっているとされています。
ですから、「ブログを毎日書く」という苦痛で自分にとって損だとも思える行動を続けるわけです。高い評価を得たいと思って。
ようするに、「人間は一度決めたことは、損をしてもやり続ける」ということです。
ですから、自分ひとりではクリアすることが難しそうな課題があるときは、周りの人に大きく宣言することで、自らのモチベーションアップや行動の継続に役立てることができるのではないでしょうか。
そういう観点からすると「不言実行」よりも「有言実行」の方が、成果をあげやすいかもしれませんね。
販売者とお客さんの関係において、
上述したような「一貫性の原理」を巧みに利用することで販売者がお客さんに要求を受け入れさせ、みごと購入させてしまうテクニックがあります。
「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」
「ローボール・テクニック」
「イエスセット」
「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」
「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」とは、
顧客に対して「小さな要求」を行い、それが受け入れられてから「大きな要求」を行うという手法です。
人は「小さな要求」は受け入れてしまいやすいんです。
そして「小さな要求」を受け入れてしまうと、その後の新たな要求に対しても「はい!」と言ってしまいがちなんです。心理的に。
自分自身の行動、発言、態度、信念は一貫していたいという「一貫性の原理」が働いているわけです。
たとえば、
洋服屋さんで服を選んでいる場面では、
試着 ⇒ 実際に買ってもらう
店員さんに「ご試着だけでもどうぞ」と小さな要求を言われて素直に試着した後に、
「とてもお似合いですね。お買い上げいかがですか?」と大きな要求を言われたら、
購入までの壁が低くなっているのでお客さんの心理は、買いやすい状態になっています。
褒められて上機嫌になったこと(ピグマリオン効果)と、フット・イン・ザ・ドア・テクニックの効果で、思わず「購入」という大きな行動につなげることが出来るということです。
ネットビジネスでは、
フロントエンド ⇒ バックエンド
販売者はお客さんに対して、フロントエンド商品として割と安価な商品の購入を最初に提案します。
そして、購入してくれたお客さんに対して、さらにバックエンド商品として高価な商品の購入を進めてくることも多いです。
無理難題な商品と思われるものでも、段階的に販売することで、お客さんも受け入れざるを得ない心理状態となるわけです。
このテクニックを利用することで高価な商品が売れるということは良く分かりましたが、
販売者、アフィリエイターとしては、やはり決して悪用をしないように注意しなくてはいけません。
「ローボール・テクニック」
「ローボール・テクニック」も「一貫性の原理」を利用したテクニックです。
これは、相手にとって都合の悪い要求を隠しておいて、相手が自分のお願いをいったん受け入れたら、その要求を持ち出す、というものです。
最初に「YES」と言ってもらいやすそうな「誘い玉=ローボール」を投げることから、このような呼び名が付いています。
上司「残業お願いしたいんだけど。簡単だからさ」
部下「あ、いいですよ。なんですか?」
上司「明日の会議の資料なんだけど、引用しているデータに間違いがないか、最初から最後までチェックしてほしいんだ」
部下「は、はい・・・」一度、誘い玉を受け取ってしまったからには、次にくる玉が予想外のものでも引っ込みがつかないので、しかたなく受け取ってしまうという人間心理を利用したテクニックといえます。
(「他人を支配する黒すぎる心理術」P.150)
「イエスセット」
「イエスセット」は、「イエス」と答えられるような質問を繰り返す方法です。
相手はもちろん「イエス」と肯定的な反応を示します。
そのような質問を何度も繰り返しているうちに、本来の大きな要求に「YES」と言いやすい状態に持っていくわけです。
相手は、流れを覆してでも「NO」とはなかなか言えないので、質問者からの要求が通りやすくなります。
「今日はいいお天気ですね」
「そうですね。良く晴れましたね」
「気温も、ポカポカしていて過ごしやすいですし」
「確かに、このくらいの気候がいちばんですよね」
「こんないいお天気だと、仕事しているのがもったいなくなってきますよね?」
「本当ですね」
「で、今日はせっかくだから、この件を詰めちゃいましょうか?」
「ええ、そうしましょう」(「人の心を自由に操る技術」P.111)
セールスレターのなかでは、「ブレット」と言われる「メリットを箇条書きしたもの」に「イエスセット」を利用することで、お客さんの購買を促すことが出来ます。
まとめ
相手の意のままに操られ、なんとなく相手の要求通りの行動をとってしまっている。
そんな経験ありませんか?
先日、私はスーツ屋さんで、スーツ一式を買ったのですが、
「ついでに靴とベルトとYシャツはどうですか?いまなら15%引きですよ」
と言われた後、ノリノリで購入している自分がいました。
車屋さんでは、車自体を購入した後にオプションの追加を色々と勧められ、最初の予算を大幅にオーバーした価格で購入したこともあります。
いったん購買決定をした私は、「一貫性の原理」によって「ついで買い」をし、最初の購買行動と一致した行動をとり続けたわけです。
販売者・アフィリエイターとしては、本当におススメできる商品やサービスがあるときは、「一貫性の原理」を利用しながら自信をもっておススメしていきたいです。
「一貫性の原理」とは、
「自分自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理」・「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」
・「ローボール・テクニック」
・「イエスセット」
等のテクニックを利用することで、売り上げを伸ばすことができます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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